ゲイでノンセクシャル~人生の雨宿り~

雨ばかりの人生に、雨宿りができる場所を作りたい

カミングアウトとアウティング

始めに

 僕の人生で初めてのカミングアウトは、最悪といっていいものでした。

以下の記事に詳しく書いています。

ama-yadori.hateblo.jp

 正直、運が悪ければ今の自分はいなかったと思います。

たまたま、環境が良かったから、カミングアウトをしても大丈夫だった

だけだと思います。そんな僕がカミングアウトをすべきかどうかについて

語りたいと思います。

カミングアウトを「したい」か「すべき」か

 結論から先に言うと、「すべき」と思う内はしない方がいい

思います。「したい」と思えるようになった時が、するべきタイミング

だと僕は思います。カミングアウトは「義務」ではなく、「権利」です。

させられるものでも、しなければいけないものでもありません。

したい人がする、したい時にできるものだと思います。

ただ、「権利」である以上、権利を手放さない努力は必要です。

 例えば、セクシャリティをごまかすこと、いつまでも隠しつづけること、

これらは「権利」を失っても文句を言うことができなくなる行為だと

思います。大事なのは「権利」を自由に行使できる状態にしておくこと

ではないでしょうか。

アウティングはされるものと思うべき

 あの人なら信用できる、と思っていてもアウティングをされる可能性は

ゼロではありません。もしアウティングをされたら、今あなたを守ってくれる

人はいますか?あなたの味方になってくれる人はいますか?あなたに

逃げ道はありますか?もし「ない」というならば、慎重に行うべきです。

 カミングアウトはゴールではなく、スタートだと思います。

カミングアウトをすることによって、そこから新たな関係が生まれます。

もし、あなたがカミングアウトをした相手が、疑問に思ったり、誤解したり

したことを、正しく説明する自信はありますか?たとえ相手がとても大切な人

だとしても、間違いを間違いだと言うことができますか?

 カミングアウトは自分1人のものではありません。同じセクシャリティの人

全員に関係することです。あなたが伝えたことは、相手の中の常識となり、

一生の見解に影響します。あなたが初めて現実であったマイノリティだ、

という相手ならなおさらです。もしも、少しでも自信がないのなら、

まずは自分自身で自分のセクシャリティについて理解してからにしましょう。

 1度言ってしまうと、なかったことにはできません。慎重すぎるぐらいが

ちょうどいいと思います。

カミングアウトをする相手

 もし、これからも長く付き合っていく人にカミングアウトをする時は、

全てを失う覚悟が必要だと思います。家族、クラスの人、会社の人、

こういった閉鎖的な空間にいる人には、よほど自信がない限り

伝えない方がいいかもしれません。

 また、伝えるのを能動的にするのか、受動的にするのかも

考えた方がいいと思います。自分からオープンにしていく場合は、

近くにいるクローズにしている人にとって、ありがたい存在に

なると思いますし、周りの人も「そういう人だ」と受け入れやすいと

思います。ただ、一部にだけ隠す、伝えるというのは出来ないと思います。

 反対に、聞かれたら答える場合、相手を見極めることが出来るので、

比較的ハードルが低いと思います。もしも、相手がセクシャルマイノリティに

否定的であるようでしたら、「どう見えますか?」「そう見えますか?」と

返すのがいいです。

 もしかしてゲイ?と言った相手は、ゲイであるのかを聞きたいのではなく

そういうコミュニケーションをしてきただけです。なので、カミングアウトを

するよりも、「そう見えますか?」と返した方が、お互いに嫌な思いを

しなくて済みます。カミングアウトをする場合、しない場合のどちらに

おいても、もしこう聞かれたらどう答える?というのは考えておかないと

とっさに判断できません。

好きな人へのカミングアウト

  好きな人へのカミングアウトは、告白とカミングアウトを分けた方が

いいと思います。告白とカミングアウトを同時にしてしまうと、

相手が混乱しますし、真剣に考えてくれない可能性があります。

2回も告白をするのは辛い、というのはあなたのわがままでしかありません。

相手のことを思いやってこその恋だと思います。

 また、カミングアウトで相手の考えを知ることができます。

セクシャルマイノリティに否定的であれば、告白はしないほうがいい

でしょうし、なによりそんな人と友達として付き合っていくことも

苦痛になると思います。

 もしかしたら相手もゲイで、付き合えるかも……という可能性もないこと

ではありません。でもほとんどは、うまくいかないでしょう。

しかし、カミングアウトで相手の気持ちが変わるかもしれません。

 今まで友達だと思っていた人からゲイだとカミングアウトされたら、

普段からその人を見る目が変わる、つまり恋愛的に意識するようになるかも

しれません。そうすれば、例えフラれたとしても、突然のことで驚かれたり、

とっさに断られたりせずに、きちんと向き合ってもらうことができます。

 告白とカミングアウトは分けるべきだと僕は思います。ただ、

告白をすべきかどうかは、悔いがなくなるまで悩んでください。

もしかしたら……は基本的には外れます。周りの人はきっと

「君ならいけるよ」「絶対大丈夫」と後押ししてくれると思います。

でも、最後に判断するのはあなた自身であって、周りの人ではありません。

所詮は他人事なんです。周りに流されず、自分の意思で決めましょう。

 良くも悪くも、告白をすれば相手の記憶に深く刻み込まれます

「もしも」や「当たって砕けろ」で告白することは相手に失礼だと

思います。熱い思いの中にこそ、冷静さが必要です。

カミングアウトをされたら

 もしもカミングアウトを誰かから受けたら、まずは「ありがとう」、

次に「頑張ったね」と言ってあげてください。その言葉に僕は何度も

救われました。そして、分からないことを分からないままにせず、素直に

質問してください。カミングアウトをする側は、人にもよりますが、

話を切り出すだけでへとへとになります。質問をどんどんしてくれた方が

ありがたいです。この時に「この話題には触れない方がいいかな」

「間違っていることを言ったら失礼だよな」といった気遣いはいりません。

 触れにくそうにしている気遣いは、とても居心地が悪くなります。

むしろ、~であってる?~てことかなぁと言ってくれた方が、

この人は理解してくれる、受け入れてくれる、と感じます。

 最後に、僕がカミングアウトをして言ってもらえた中で、

1番うれしかった言葉を紹介します。

「話をしてくれてありがとう。世界がぐんと広がった気がする。

だって一生出会うことのないと思っていた人に出会えたんだもん」

 

 あなたにとって、カミングアウトをする人の1人に過ぎなくても、

相手にとっては、一生に1度きりの唯一のカミングアウトかもしれません。

その運命に立ち会えた奇跡に、感謝できる世界になってほしいですね。