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囚人のジレンマ

問題の概要

 共同で犯罪を犯し、捕まった2人の容疑者がいます。

ある日、2人は別々の部屋に呼び出されて、とある尋問を

受けることになりました。

 

1.君たちは、「自白をする」「黙秘をする」かを選択してもらう

2.君たちは、今から意志疎通を図ることができず、1人で判断してもらう

3.もしも2人とも黙秘をした場合、2人共に懲役を2年とする

4.もしも2人とも自白をした場合、2人共に懲役を6年とする

5.もしも片方だけが自白し、もう片方が黙秘した場合、

  自白をした方を釈放し、黙秘したほうを懲役10年とする

 

この時、囚人にとって最も合理的な判断は自白すること、黙秘することの

どちらなのだろうか?という問題です。

この問題は、ゲーム理論の1つで様々な分野で研究されている問題です。

もしも、あなたが囚人なら?

 まずは、整理をしてみましょう。

もしもあなたが自白をするとしたら、考えられる可能性は、

「相手も自白をして懲役6年」もしくは「相手が黙秘をして釈放」

のどちらかになります。

反対にあなたが黙秘をするとしたら、

「相手も黙秘をして懲役2年」もしくは「相手が自白をして懲役10年」

のどちらかです。

 つまり、自白をすることで、起こり得る最悪の結果である「懲役10年」を

避けることができます。

さらに、起こり得る最善の結果である、「釈放」を得る可能性まであるのです。

もし、あなたが囚人なら、自白をすることの方が合理的であると言えそうです。

もしもあなたが看守だったら?

 ここで、看守の立場を考えてみましょう。

「看守」つまり囚人たちを捕まえて、この条件を提示した側です。

看守たちは、囚人に自白をさせることで、犯罪に関する情報が

欲しいはずです。そうでなければ、罪を犯した囚人に釈放のチャンスを

与えたり、懲役を短くしたりしないはずでしょう。

もう一度条件をよく見てみましょう。

 

もしも2人とも黙秘をした場合、2人共に懲役を2年とする

もしも2人とも自白をした場合、2人共に懲役を6年とする

もしも片方だけが自白し、もう片方が黙秘した場合、

自白をした方を釈放し、黙秘したほうを懲役10年とする

 

囚人2人とも自白をした場合、2人の懲役の合計は「6+6=12年」となり、

囚人2人とも黙秘をした場合の「2+2=4年」の3倍になっています。

片方が自白、もう片方が黙秘の場合「0+10=10年」もしくは「10+0=10年」です。

 もしも、囚人2人が協力をしようと試みた場合、

もしもあなたが自白をするとしたら、考えられる可能性は、

「相手も自白をして、合計12年」もしくは「相手が黙秘をして、合計10年」

のどちらかです。

反対にあなたが黙秘をするとしたら、

「相手も黙秘をして、合計4年」もしくは「相手が自白をして、合計10年」

のどちらかになります。

つまり、黙秘をしたほうが最悪の結果である「合計12年」を避ける

ことが出来る上に、最善の結果である「合計4年」を得る可能性が

あるんです。

どうしてこうなるの?

 視点を変えると、最も合理的な選択が変わってしまう。

この最大の原因は「意志疎通が出来ないこと」にあります。

 もしも、囚人2人で話し合って結論を出すとしたら、

「2人共に懲役2年を受ける」もしくはじゃんけんや賭け事で、

「片方が釈放、もう片方が懲役10年」を選ぶと思います。

少なくとも「2人共に懲役6年」は選ぶことがないはずです。

 相手が自白をするのか、黙秘をするのかが分からない以上、

確実である「自らの選択」を判断基準にするしかないのです。

 また、今回は懲役の年数を「合理的」のものさしにしましたが、

必ずしもそれが正しいとは限りません。

 もしも共に捕まった相手が、家族だったら?恋人だったら?

唯一無二の親友だったら?赤の他人だったら?憎むべき人だったら?

 相手によっては、相手の情報を売るようなことはせずに、

互いに黙秘をすることを信じるかもしれません。

あるいは、自分だけが釈放された時に恨まれたくないと思う

かもしれません。相手のことなんかどうでもいいから、自分が助かりたい

と思うこともあるでしょう。

 最後にもう一度聞きましょう。囚人にとって最も「合理的」な判断は

自白すること、黙秘することのどちらなのでしょうか?