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パートナーシップ制度について

 パートナーシップは、結婚と同等の効力を持つものとされています。

以下の記事にもすこし触れていますが、結婚をすることによって

・持ち家、親権、財産、苗字などを共有で所持することができる

・共通の名義を使うことが出来るようになる(高額のローンが組みやすい)

・公的機関で婚姻関係を認めてもらえる(病院の立会い、住民票、相続など)

・社会的に婚姻関係を認めてもらえる(結婚のご祝儀、育休、家族割など)

といった効力があります。

www.life-amayadori.com

 逆に言えば、結婚しなければこれらの効力は発生しないのです。

日本の婚姻制度は「法律婚主義」または「届け出婚主義」と呼ばれており、

法律の手続きに基づいて、婚姻届けを出して初めて婚姻関係が成立します。

 そのため、婚姻届を出していないけれど夫婦のように暮らしている

「事実婚」や、そもそも婚姻届を受理してくれない「同性カップル」は、

結婚しているとはみなされないのです。

 また、夫婦別姓の問題が少し前に話題になりましたが、

夫婦同姓は合憲(つまり夫婦別姓にしない)と最高裁が判決しているので、

職場で別姓を名乗ることはできても、戸籍、パスポート、銀行名義などは

同性にしなくてはなりません。そのため、夫婦別姓を望む場合も、

事実婚と同じようになるでしょう。(以下は毎日新聞のリンクです)

mainichi.jp

 これらの問題に光をもたらす制度がパートナーシップだと思います。

パートナーシップというと、同性パートナーシップが注目されますが、

最近は千葉市や横浜市など、性的マイノリティ(トランスジェンダー、

アセクシャルなど)や事実婚に拡大したものが制定され始めているようです。

www.city.yokohama.lg.jp

www.city.chiba.jp

 2019年12月の時点において、31の自治体でパートナーシップ宣誓制度が

導入されているようです。(日本における同性結婚 - Wikipedia 参照)

 ただ、まだまだ発展途上の段階であり、課題も多いです。

まず、パートナーシップのほとんどが法的拘束力を持ちません

(渋谷区のように法的拘束力があるところもあります)

これは、パートナーシップの多くが「要綱」という形で制定されるからです。

 渋谷区の場合、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」という

条例があります。「条例」は、区の議会によって決められた法令の一種なので、

法的拘束力があります。

 ただ、同じ東京であっても世田谷区の場合は、

「世田谷区パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱」であり、条例では

ありません。要綱というのは、言わば区や市の中での「マニュアル」のような

もので、「パートナーシップ制度を申請されている人は、このような

手続き、扱いをしましょうね」というような内容や、「市や区はこの人たちが

パートナーシップを結ぶことを認めましたよ」というような内容です。

 そのため、家族割、病院での立会いなどには効果があると思いますが、

遺産の相続、名義の共有など法的に関することはできない可能性があります。

(相続は、遺贈という形で生前に遺言を書いておけば、引き継ぐことができます。

ただ、それにもいろいろ問題はありますが……)

 ただ、市や区が発行したものですので、慣習と同じように、それなりに

効力を発揮してくれると思います。(慣習についてはこちらへ)

www.life-amayadori.com

 また、パートナーシップはどこでも申請できるわけではありません。

その地域に住んでいる人しか申請できない、または効力を発揮しないものもあります。

中には引っ越すときに変換しなければならないところもあり、

住む場所の自由が効かないところが多いようです。

 ちなみに海外で同性婚をした日本人が、日本に再びやってきた場合は、

異性配偶者と同じ扱いをうけることが出来ます。(在日米軍関係者も同様)

やはり、婚姻というものがいかに強力な効力を持っているのかが

見え隠れしているような気がしますね。

 そして、最大の問題がパートナーシップを申請するに当たって、

意図しないカミングアウト、アウティングの恐れがあるということです。

 役所に登録をしなければならないことはもちろんですが、手続きの段階で

職員や手続きをしている様子を見た周りの人に知られてしまう可能性があります。

そもそも、同性カップルが町中を歩くことすらはばかられるのが現状なので、

カミングアウト、アウティングを恐れてパートナーシップを利用したくないという

人もいるかもしれません。

 海外ではパートナーシップのことを「civil union」とも呼び、パートナーシップが

法的に認められている所があります。先進国の代表格と呼ばれるG7

(フランス、アメリカ、ドイツ、カナダ、イギリス、イタリア、日本)の中では、

日本が圧倒的に同性婚、パートナーシップの法整備が遅れていると言えます。

 僕自身の意見としては、同性婚も大切ですがそれよりも、パートナーシップ制度の

整備を進めていくべきだと思います。パートナーシップが幅広く認められる

ようになると、「婚姻しているか、していないか」という選択肢に、

「結婚するか、パートナーシップにするか」という新たな選択肢が生まれることに

なります。

 同性婚は同性愛者のためのものですが、パートナーシップは事実婚カップル、

トランスジェンダーなどの同性愛者ではないセクシャルマイノリティのカップル、

夫婦別姓、名義を分けたいといった婚姻による効果を望まないが、

結婚はしたいカップル、というように色々な人のためになると思います。

 これからの同性婚、パートナーシップ制度の動きに注目していきたいですね。