ゲイでノンセクシャル~人生の雨宿り~

雨ばかりの人生に、雨宿りができる場所を作りたい

性別欄の「その他」に潜む危険性

 最近は、LGBT就活、LGBT成人式、各自治体のパートナーシップ制度など

色々なところで、LGBTに配慮されるようになりました。

性別欄の「その他」というのもその1つでしょう。今までは、男か女かでしか

区別されなかった性別に、新たな可能性を示していることになります。

「その他」の欄を設けたこと=男女だけではない性別がいることを理解します、

という企業や役所側の意見の提示にもつながるのです。

 ただ、この「その他」という欄は気を付けて扱う必要があると思います。

まず、アンケート総数が少ない場合、またアンケートをとった人同士が認識

できるような場合は要注意だと思います。

 例えば、男子15人、女子15人の30人のクラスでアンケートを取るとします。

もし、アンケートの結果が男子13人、女子15人、その他2人となると、

その他を書いた2人は男子なんだな、とばれてしまう可能性があります。

そうなると、男子の中から「その他」に属しそうな人を探し出そうとするかも

しれません。いくら匿名であっても、15人全員を検討することはそう大変なことでも

ありませんし、やろうと思えばできてしまうのです。

 学校や面接会場といった、全員の名簿があったり、閉鎖的な空間であったりする

場合に「その他」の欄を採用する時は、少し考えた方がいいかもしれません。

 また、「男、女、その他」という分け方は、性自認についてのセクシャル

マイノリティにしか適用できないでしょう。具体的にはトランスジェンダーや

Xジェンダーの方々ですね。でも、「その他」の欄を設けることで、

LGBT全員に配慮出来ていると勘違いしてしまう可能性があります。

 よくLGBTとひとくくりにされますが、悩みや問題というのはそれぞれの

セクシャリティによってまったく異なっています。中でもTである

トランスジェンダーが1番外から見て分かりやすいので、対策が進んでいる

というだけです。(トイレの問題、スーツの問題、性別欄など)

 実際にゲイは、好きになる相手が男という以外では悩むこともありません。

(自分を男だと認識しているからです。)

ただ、「彼女いるの?」「早く結婚しなよ」「キャバクラ行くの付き合え」といった

セクハラは問題になるでしょうし、それこそゲイであることを嫌われてしまえば

生活や仕事をしづらいという問題はあります。でも、これはそこにいる人間関係や

社風に関することであり、国や県がいますぐに対策できることではないんです。

 「LGBTを差別してはいけません。理解しましょう」といっても無理な人には

無理だと思います。だからこそ、今すぐにでもできる問題から解決していこう、

ということで、多目的トイレを設置したり、スーツや制服を自由に

したり、それこそ性別欄のその他を設け始めたりしたんだと思います。

「その他」を作って終わり、ではなくむしろスタートなのではないでしょうか。

 また、個人的に感じることなのですが「男、女、その他」と書かれていると、

実務的にその他を設けただけで、「その他」の中にどんな人がいるのか本当に

わかっているのかな?と思ってしまいます。

 そもそもトランスジェンダーの方は心の性別が本来の性別であるため、

Xジェンダーが「その他」に入るのはまだわかるのですが、トランスジェンダーが

「その他」に入るのはおかしいような気がするのです。「見た目は男性でも本当は

女性である」という人は、「女性」に入ってはいけないのでしょうか?

もしダメというならば、それは見た目が男性の人はみな男性だと思っているから

ではないですか?男性が女性だと名乗ることはおかしいと思っているから

ではないですか?

 少し極論にはなってしまいますが、「その他」を設けることは、

トランスジェンダーの方を区別して、身も心も男もしくは女の人だけを

男とする、女とすると言っているような気がしてしまいます。

それは、学校や企業が扱いやすいように「その他」にトランスジェンダーの方を

追いやっているように感じてしまうのです。たとえそんなつもりはないとしても、

考えもなく「その他」の欄を設けられることが、LGBTを軽く扱っているように

感じる人もいるのです。

 だからといって「その他」をなくしてしまうのもこれまた困ります。

「その他」という曖昧な選択肢だからこそ、自分の居場所を見出せる人もいる

でしょう。正直、「LGBTって注文が多い、めんどくさいやつらだな」と思われるかも

しれません。でも、個人的には「LGBTめんどくさい」と思う人達に、LGBTを

支援しよう、とかよりよい社会にしよう、と言われてもまったく共感できませんし、

むしろこっちが願い下げだ!と思います。

 ただ、いつまでもそうやってLGBTとそうではない人という区別、仕切りを

作っていても仕方がないのは事実です。「めんどくさい」ということも、

逆に言えば、言われるまでは気付かなかったことだと思いますし、

今まで放置していた問題だと思います。

 自分の欠点を指摘されてそれを直そうと努力するのか、逆切れして放置するのか、

では大きく結果が変わってくると思います。

 今声を挙げているLGBTの方は、決して自分たちのためだけでなく、

今まで苦しんでいた人のために、そしてこれから苦しむ人が現れないために、

今を変えようとしていると思います。きれいごとかもしれませんが、

それを少しでも理解してもらえると嬉しいです。