ゲイでノンセクシャル~人生の雨宿り~

雨ばかりの人生に、雨宿りができる場所を作りたい

ノンセクシャルのゲイアプリのその後

 以前ゲイアプリを始めましたという記事を書きました。

(調べたらちょうど1ヶ月前でした。もうそんなに経っていたんですね)

www.life-amayadori.com

 今回は、その後の経過と気づいたこと、感じたことを書いていようと思います。

まず、以前の記事であれほどためらっていた顔出しですが、結論から言うと

顔を出してアプリを始めました。顔出しをしたほうが反応がいいという意見を

いただいたのと、もしかしたらこの先「あっアプリで見た人だ」みたいな運命が

あるかもしれないと思って顔出しをしてみました。

 以前chuckさんの記事で見た「カミングアウト代行」という考え方に感銘を

受けたのも大きいです。ただでさえ出会いがない僕にとっては、自分から声をかける

努力だけでなく、声をかけられる努力もやった方がいいだろうと思ったんです。

 同じ大学にいるゲイやノンセクシャルの方に、僕のプロフィールを見ていただ

ければいいなという淡い期待のもと、写真を必死に厳選しました。

chuck0523.hatenadiary.jp

アプリは以前紹介したAMBIRDというやつを使っています。

 最初は何もわからず、ただ眺めるだけでしたが、思っていた以上にいいね!を

してくださる方がいて驚きました。AMBIRDでは、お互いにいいね!を付けてからしか

メッセージのやり取りができないので、グイグイ来られるのが苦手な僕でも安心して

使うことが出来ました。

 AMBIRDの中にはなんとノンセクシャルのグループもあって、最初はそこの人たちと

おしゃべりしていました。ゲイでノンセクシャルなのは自分だけじゃないってわかる

だけでも、心の支えになりますね。

(ただ人数が少ないので、プロフィール調べられると僕の顔がバレちゃうかも……)

 少しずつ慣れてくると、相手からのいいね!を待つだけでなく、

自分からもいいね!を送るようになりました。不思議なことに、自分から送った

いいね!は何一つ実ることはないんですよね……

 ただ、中には家の近所の人と出会ったり、僕と全く同じ中学、高校の人と出会ったり

(いわゆる先輩後輩の関係ですね。年齢的に、同時期に学校にいたわけでは

ありませんが……)することもあるので、世界って広そうに見えて案外狭いんやなと

思いますね。今まで見えなかったゲイという存在が、本当に身近にいることを

痛感しました。「LGBTは左利きと同じぐらいいる」というのもうなずけます。

 何人かの人とやり取りをして感じたのは、案外プロフィールまでしっかり読んでいる

人って少ないんじゃない?ということですね。複数人にいいね!を送って、単に僕の

存在を忘れていただけなのかもしれませんが、「ノンセクシャル」と明記していても、

「えっノンセクシャルなの?」とか「珍しいね」とか、悲しいときは

「またまた~綺麗ぶっちゃって」みたいな反応がボチボチあるんですよね……

 そしてノンセクシャル自体の認知度は結構あるんですが、内容まで知っているという

人はなかなかいない印象でした。アセクシャルとノンセクシャルを混同していたり、

Xジェンダーやノンバイナリーのように、性別が分からない、存在しない人だと

思われていたり、セックスさえしなければ大丈夫だと思われていたりと、

アセクシャルやノンセクシャルという存在は、まだまだ情報伝達が足りていないなと

痛感しました。

 同じセクシャルマイノリティであるゲイのグループでこの反応であれば、

世間一般にはもっと浸透していないんじゃないか、と少し心配になりますね。

その点では、僕はゲイの世界とノンセクシャルの世界の橋渡しになれる

のかもしれません。ちょっぴり鼻が高い気分ですね。

 ただ、この認識の違いが、ゲイ同士の意思疎通にも影響することが多々あって、

文字でのやり取りの難しさを感じました。

 例えば、ノンセクシャルを詳しく知らない人とのやり取りの中で、

「ノンセクシャルの中には手をつないだり、体に触れられたりするのも苦手な人も

いるよ」という説明の後に、「僕の場合は触られると分かっていれば、体触られても

大丈夫だよ」と送ったのですが、どうやら相手は、「本番さえしなければ多少は

エッチしても大丈夫」と解釈しちゃったみたいで、「じゃ服脱がせても大丈夫だね」と

返ってきたということがありました。その直前に「僕の中ではキスがゴールかも」

という話をしていたこともあって、「大丈夫」という言葉が拡大解釈されて

しまったんですね。

 僕の「大丈夫」は、体を触られるのが苦手な人も多いノンセクシャルのなかでは、

比較的耐性がある方だよという抑制がかけられた「大丈夫」なのですが、相手から

すれば、ノンセクシャルはエッチなことは一切ダメだと思っていたけれど、案外イケる

ものなんだという期待のある「大丈夫」に感じたのかもしれません。

そして、相手の中でまぁこれくらいは大丈夫だろと抑制して導かれた結論が

「服を脱がせてもいいの?」だったのでしょう。前提が違うとここまで結論が

ずれてしまうのか、と驚きました。

 「大丈夫」みたいな曖昧な言葉につい頼りがちですが、嫌なものは嫌、無理な

ものは無理と、しっかり伝えるようにしないと、かえって相手を傷つけかねない

心に刻みました。例えゲイという共通のセクシャリティがあったとしても、

ノンセクシャルとそうではないという違いを超える決定打とはなり得ないんですね。

想像以上に性欲というものは、強いものなんだと少しだけ分かったような気がします。

 ノンセクシャルではない人からしてみれば中学生か!と思われるぐらい「うぶ」に

感じるのだと思います。綺麗ぶっているわけでも、経験がないからそう振る舞って

いるわけでもなく、生まれた時から相手とエッチをしたいと思ったことは一切なく、

体に突然触れられる(特に男性の人から)のが苦手だということは、なかなか伝わら

ないものなんですね。

 ただ、中にはノンセクシャルであることを理解をして下さって、趣味の話で盛り

上がったり、いろいろ相談やアドバイスを下さる方もいます。その点で言えば、

交流の場をしっかり設けられたtwitterみたいな感覚ですね。「ゲイ」というたった

一つの共通点で、いろんな人とおしゃべりができるのはなんだか得をした気分に

なります。僕自身がゲイであることを、完全に受け入れることができるように

なったからなのかもしれません。

 逆に言えば、ノンセクシャルなんて気づいて半年ぐらいなので、悩んで当然だと

思いますし、アプリをすることはいい人生経験になっているのかなと結構割り切って

います。ゲイを受け入れるのに5年かかったので、あと5年でノンセクシャルを受け

入れることができれば、ちょうど20代を折り返した頃になって、落ち着いた人にも

もっと出会えるようになるのかなと自分に言い聞かせていますね。

(実際、30歳前後の人と話が合うことが多いです。僕が若年寄なんだと思います)

 また、アプリを始めてみて、僕は「お兄ちゃん」を欲していたんだと気づきました。

小さい頃からお兄ちゃん、お姉ちゃんが欲しいと誕生日やクリスマスにお願いして

いましたが、残念ながらその願いはかないませんでした。

(なぜか妹はやってきちゃったんですけどね……ごめんなさい)

兄弟であれば、エッチをすることもなく(BLの世界はないものとしましょう)

互いの存在を強く意識することもなく、それでもって友達以上の関係がありますよね。

まさに僕が望んでいる関係じゃん!と気づかされました。この場合のお兄ちゃんは、

単に年上がいいというわけでもないのがややこしいのですが、僕が長男だから単に

甘えたいだけかもしれませんね。(思い返せば今までに好きになった人

ってお兄ちゃん的な存在だったなぁと勝手に納得していました)

ただ、出会いを求めている人に「お兄ちゃんになってください」というのも

なかなかヤバい人なので、少しずつ自分の感情を言語化していけたらと思います。

 アプリを使えば、実際にリアル(現実でお互いに会うこと)をしなくても、

いろんなことを知れるので、いい社会経験になっているなと思います。極論を言って

しまえば、現実で会わなければ関係が進展することはないんです。そう思えば、

友達募集中を装っている顔目当て、体目当ての人であっても交流ができます。

普段交わることがない人と話してみると、新たな発見や、違った考え方、世間の見解

みたいな物を得られるのでとても刺激になります。

 実際に話してみると、プロフィールで顔出しをされていない人や、際どい写真を

あげている人のほうが、誠実で真面目に話をしてくださることも多く、思い込みや

偏見は、なくそうとしていても知らずのうちにあるんだなと思いました。

 まだ始めたばかりではありますが、ゲイアプリは確実に、僕自身に変化を与えて

くれたと思います。何より内向型な自分が、外を意識するようになったことが大きいと

思います。ちゃんと鏡を見るようになったり、家事をするのが楽しくなったり、

何よりも自己肯定感が上がったような気がします。現実ではまず言われないような

褒め言葉も、アプリの中ではたまにいただけるので、思わず照れてしまいます。

(外面だけはいいとよく言われるので、実際に会ったら残念がられるんでしょうか?)

またなにか進展や気づきがあれば、記事にしたいと思います。

よければ皆さんのアプリやリアルでの体験も聞かせてください!